介護タクシー・民間救急 | 2024.07.14
民間救急の仕事内容とは?求められる役割や必要な資格も解説!
民間救急は、病院間の患者移送や退院時の自宅への搬送などを行う業務です。
高齢化が進む中で、医療機関の負担軽減にも大きく貢献しています。
本記事では、民間救急の具体的な仕事内容と社会的役割、必要な資格と取得方法について、解説します。
民間救急の仕事内容
民間救急の仕事内容は以下のとおりです。
- 病院間の転院時の搬送
- 自宅退院時の搬送
- 乗降サポート
- 社内清掃・機材の消毒
- 搬送時に必要性に応じた応急手当
それぞれ見ていきましょう。
病院間の転院時の搬送
患者さんが病状の変化などで別の病院に転院する際、民間救急が移送を請け負うことがあります。
専用の車両で、医療機関間の搬送を安全に行うことが民間救急の大きな役割です。
移送中は、患者さんの容体の変化に常に気を配る必要があります。
万が一の急変時には、適切な応急手当も施せるよう、常に準備しておかなければなりません。
自宅退院時の搬送
入院治療が終わり自宅に戻る際も、民間救急が搬送を請け負うことがあります。
自宅までの移動は、病状が不安定な患者さんにとってリスクがあるため、医療に精通したスタッフが同行する必要があります。
自宅までの移動手段がない、または家族の介助が難しい場合も、民間救急の出番です。
自宅までの搬送を円滑に行うだけでなく、患者さん宅の段差の移動、ベッドへの誘導まで行う場合があります。
乗降サポート
ご自身で移動できない方の乗降サポートも、民間救急の重要な仕事内容です。
車椅子をセッティングし、リフトでの乗降サポートを行います。
場合によってはストレッチャーのまま乗降することもあります。
単に乗降を手伝うだけでなく、患者さんの状態に合わせて最適な体勢を保つための配慮も欠かせません。
たとえば寝たきりの患者さんであれば、車いすへの移乗時の体位変換など、細かい対応が求められます。
社内清掃・機材の消毒
使用した救急車両の内部を清掃し、感染リスクを最小限に抑えることも民間救急スタッフの仕事です。
また、使用した医療機器や備品の消毒・整備も欠かせません。
清掃の際は、単に見た目の汚れをとるだけでなく、感染のリスクを減らすための徹底した消毒作業が求められます。
患者さんに絶対に感染させないよう、装置の隅々までこまめに消毒を行う必要があります。
搬送時に必要性に応じた応急手当
患者さんの容体が急変した場合、適切な応急手当を行う必要があります。気道確保や体位管理などの応急的対応が必要な場合があります。
また、状況によっては民間救急で対応できないこともあるため、その際は救急車を手配するといった対応が求められることもあるのです。
民間救急に求められる役割
民間救急に求められる役割を紹介します。
- 救急車の負担を減らす
- 医療的ケアが必要な方の移動手段となる
それぞれ見ていきましょう。
救急車の負担を減らす
救急車は重症患者の緊急搬送が主な役割です。
一方で民間救急は、状態が落ち着いた患者さんの移送を担うことで、救急車の負担軽減に貢献しています。
実際に救急車の必要性が極めて低いにもかかわらず出動するケースが増えており、救急車の適性利用ができていない現状があるのです。
民間救急が緊急性の低い方の搬送を確実に担うことで、本当に救急車を必要とする方が適切に利用できるようになります。
医療的ケアが必要な方の移動手段となる
療養中の方や障がいがある方でも、民間救急を利用することで安全に移動できます。
民間救急を利用すると、冠婚葬祭への出席や旅行といった、さまざまなイベントに出席できるようにもなります。
あきらめがちであったイベントへの出席を実現できることで、社会との接点をもちつづけられ、いきいきとした生活をサポートするという重要な役割を担えるのです。
民間救急で働くために必要な資格
民間救急で働くためには以下の資格が必要です。
- 患者等搬送乗務員基礎講習の修了
- 普通自動車二種免許の取得
それぞれ見ていきましょう。
患者等搬送乗務員基礎講習を修了する
民間救急の乗務員として働くうえで重要な資格が「患者等搬送乗務員基礎講習」の修了です。
この講習を受けることで、患者の移送業務に携われます。
講習のカリキュラムは以下のとおりです。
- 総論
- 消防機関との連携
- 搬送法
- 心肺蘇生法
- 保温
- 人工呼吸気道確保
- 患者観察要領
- 消毒及び感染防止要領
- 体位管理法
- 心肺蘇生法
- テスト(筆記・実技)
ただし、特定の資格保有者においては、講習が免除指されます。
免除の対象となる資格は以下のとおりです。
- 医師
- 助産師
- 保健師
- 看護師
- 救急救命士
- 准看護師
- 医学士
- 看護学士
- 当該講習修了者と同等以上の知識・技術を有すると認められた者
これらの資格を持つ方は、一定の対応力があるとみなされます。
講習を受けたい方は、各都道府県で開催時期が異なるため、事前に自治体に問い合わせましょう。
普通自動車二種免許を取得する
人を移送し運賃をもらう場合、二種免許が必要です。
民間救急の現場で求められる安全運転の基本を身に付けます。
二種免許の取得を目指す場合、教習所での実車を使った本格的な訓練が義務付けられています。
単に試験に合格するだけでなく、実際の運転技術も身につける必要があるため、費用と時間をかけてしっかりと学ぶ姿勢が大切になります。
まとめ
民間救急は、適切な医療的ケアを行いながら、様々な場面での患者の移動をサポートする重要な役割を担っています。
救急車の負担軽減や、医療的ケアが必要な方の社会活動を支援するなど、高齢化が進む社会に大きく貢献しています。
資格取得には一定の費用と時間がかかりますが、人々の健康で安心な生活に寄与できる、やりがいのある仕事です。
また、医療現場で役立つ貴重な知識と技術も身につけられます。
医療とケアの両面から人々の生活を支える、やりがいのあるこの仕事に興味がある方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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