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介護タクシー・民間救急 | 2024.07.24

民間救急と介護タクシーの違いとは?仕事内容や資格要件を解説

「民間救急と介護タクシーって何が違うの?」

「仕事内容や資格要件も知りたい」

このような方に向けた記事です。

この記事を読むことで、両者の概要や料金体系が理解できます。

利用者の状況に応じて適切なサービスを選択できるよう、記事を参考にしていただければ幸いです。

民間救急と介護タクシーの概要について

民間救急と介護タクシーは、どちらも重要な役割を果たしますが、まずは概要についておさえておきましょう。

【民間救急】

民間救急は「救急」のことばがつくことから、体調不良や命に関わる緊急性の高い状態の方を対象に、搬送する車両を想像する方も多いでしょう。

しかし民間救急が対象とするのは緊急性が低い方です。

緊急性は低いものの、病気やけがなどを理由に自力で移動が困難な方が対象となります。

介助者が同乗して搬送できるうえ、搬送先は病院以外でも可能です。

ただし公的な救急車ではないため、利用には料金がかかるだけでなく、予約も必要となります。

そのため、救急車のようにすぐには来てもらえない特徴があります。

【介護タクシー】

介護タクシーは、高齢者や障害者などの要介護者を医療施設や日常生活の場所へ移送するためのサービスです。

主な目的は、安全かつ快適な移動を支援することです。

具体的なシーンとしては、通院やリハビリテーション施設への移動などに利用されます。

利用するのは基本的に容体が安定している方が多いです。

以上が両者の概要になります。

乗務員の役割と仕事内容の違い

民間救急と介護タクシーには、それぞれ異なる役割と仕事内容があります。

ここでは、その違いを見ていきましょう。

【民間救急の乗務員】

民間救急の乗務員は、患者を安全かつ迅速に搬送するために運転技術や医療知識、コミュニケーション能力などが求められます。

また、患者やその家族とのコミュニケーションや、緊急時に冷静に対応する能力も必要です。

【介護タクシーの乗務員】

一方介護タクシーの乗務員は、要介護者の移動をサポートする役割を担います。

彼らは患者の安全な乗降や車内での快適な状態を確保するためのトレーニングを受けています。

要介護者の体調や安全を常に監視し、必要なサポートを提供します。

車両と装備の違い

車両と装備も民間救急と介護タクシーで異なります。

どのような違いがあるのか見ていきましょう。

【民間救急の車両と装備】

民間救急の車両は酸素ボンベ、痰の吸引機、AED、排泄処理が可能な設備などが整備されています。

緊急性の低い方が対象とはいえ、車内で体調に異変があった場合に対処できるようになっています。

【介護タクシーの車両と装備】

一方介護タクシーは、要介護者の快適な移動を支援するために設計されています。

これらの車両、車内に車椅子やシートベルトなど、要介護者の移動をサポートする装備が充実しています。

医療機器は基本的に搭載されていません。

医療行為は行いませんが、要介護者の安全性と快適性への配慮はなされています。

民間救急と介護タクシーの利用される場面

両者がどのような場面で利用されるのかを見ていきましょう。

民間救急が利用される場面

民間救急は、主に以下のような場面で利用されます。

  • 長距離の移動
  • 転院
  • 救急外来の受診

前述したように民間救急の車両には、車内で体調不良があった際には応急的に対応できる設備があります。

民間救急の利用者は病気やけがによって外出がままならないことが想定されるため、上記のような場面で利用することが適当です。

介護タクシーが利用される場面

介護タクシーは、要介護者の日常生活をサポートするために利用されます。

適正な利用シーンとしては、以下のような場面があります。

  • 通院やリハビリテーションのための移動
  • 買い物や外出など、日常の生活活動への参加
  • 老人ホームや介護施設への入所や退所の際の輸送
  • 身体的な制約がある要介護者の移動支援

介護タクシーは、要介護者が社会参加を維持し、生活の質を向上させるための大切な手段です。

料金体系と資格要件

両者の料金体系と資格要件について解説します。

料金体系の違い

民間救急と介護タクシーの料金体系には違いがあります。

これについて詳しく見ていきましょう。

【民間救急の料金体系】

民間救急では、運賃(時間や距離に応じた体系)、スタッフの数に応じた料金、介助料、燃料費、介助機器のレンタル料金などがかかります。

運賃は国土交通省で認可された料金の範囲内となっているため、極端に高いことはありません。

ただし保険が適用されないため、全額自費となります。

民間救急にかかる料金は事業者によって異なるため、詳細は利用する事業所に確認するとよいでしょう。

【介護タクシーの料金体系】

一方介護タクシーの料金も民間救急と同様の体系になっています。

異なる点は、介助料の部分が介護保険適用になることです。

介護保険の自己負担1~3割で利用が可能なため、民間救急と比較して全体の料金は安くなる傾向にあります。

乗務員やドライバーの資格と専門性

【民間救急の乗務員の資格と専門性】

民間救急の乗務員に必須の資格や要件は、以下のいずれかに該当することです。

  1. 患者等搬送乗務員基礎講習を修了しており、適任証が交付されている
  2. 医師、助産師、保健師、看護師、救急救命士、准看護師、医学士、看護学士(看護大学や大学の看護学部を卒業している、または看護大学・大学の看護学部卒と同等の学力があると認められた者)
  3. 2と同等以上の知識・技術を有する者として消防総監が認め、適任証の交付を受けている者

その他、利用者急変時に適切な対応がとれるよう、事業所によって救急救命士や看護師の資格が必須と定めている場合もあります。

【介護タクシーの乗務員の資格と専門性】

一方、介護タクシーの乗務員には、医療資格は必要ありません。

しかし、介護保険適用の介護タクシーの場合は、利用者の介助において介護職員初任者研修を修了していることが必須となります。

なお、ドライバーについては普通自動車第二種運転免許が民間救急と介護タクシーに共通の必須資格となります。

搭載されている積載資器材について

民間救急車と介護タクシーは、積載資器材においても異なる特性を持っています。

【民間救急車の積載資器材】

民間救急車には、救急医療に必要な設備と資器材が充実しています。

心電図モニター、酸素供給装置などが常備されており、万が一の体調不良に対応できるようになっています。

【介護タクシーの積載資器材】

一方、介護タクシーには、要介護者の快適な移動を支援するための資器材が搭載されています。

車椅子の固定装置や安全ベルト、手すりなどがあり、要介護者の安全な乗降と車内での安定した姿勢を保つのに役立ちます。

医療行為に必要な資器材は搭載されていない点に注意が必要です。

移送するという点で両者の目的は共通している

民間救急と介護タクシーは、緊急性の有無によってその役割が異なります。

しかし、両者は「目的まで安全に移送する」という点での目的は共通しています。

目的地までの移動を検討している方は、両者の違いを理解し、適切なサービスを選択しましょう。

まとめ:介護タクシーと民間救急の違いを理解しよう

介護タクシーと民間救急は、異なる役割と目的を持つ重要なサービスです。

民間救急は、病気やけがによって自力での移動が困難な方を対象としています。

一方介護タクシーは、要介護者の快適な移動を支援し、車両や資器材が要介護者の安全性と快適性に配慮されています。

適切なサービスの利用を促進するために、利用シーンや料金体系、乗務員の資格要件、業務内容など、両者の違いを理解することが重要です。

これにより、患者や要介護者が最適なサービスを受けられるようになり、安心して利用できるでしょう。