介護タクシー・民間救急 | 2024.07.16
介護タクシーを利用する前に知っておきたいメリット・デメリット

介護タクシーは心身になんらかの障害や制約があり、ひとりでの外出が困難な方に対応した移送サービスのひとつです。
専門資格をもったドライバーが支援してくれることは、外出を制限されている方にとって社会参加を促進するうえで非常に大切といえます。
しかし、介護タクシーにはそれぞれメリットやデメリットもあることを知っておきましょう。
本記事では介護タクシーを利用する前に知っておくべきメリットとデメリットを紹介します。
介護タクシーを利用するメリット
一般のタクシーと比較し、介護タクシーを利用することで得られるメリットを以下で5つ紹介します。
外出の機会が増えて社会参加が促進される
介護タクシーは、高齢者や心身に障害のある方々にとって非常に便利な手段です。
その最初のメリットは、外出の機会が増え、社会参加が促進されることです。
多くの高齢者や障害を持つ方々は、交通手段に制約を感じており、外出が難しい場合があります。
しかし、介護タクシーを利用することで、外出先へのアクセスが大幅に向上します。
例えば、ショッピングや友達とのランチ、地域のイベントなど、普段の生活においても外出は大切な活動です。
介護タクシーは、これらの活動をサポートし、高齢者や障害のある方々に社会とのつながりを提供します。
これにより、孤立感や孤独感の軽減にも寄与します。
心身に障害がある方や高齢者が安全に移動できる
次のメリットは、心身に障害がある方や高齢者が安全に移動できることです。
通常のタクシーに比べて、介護タクシーはバリアフリー設備が整っており、車椅子や歩行補助具を使用する方々にとっても快適な移動手段となります。
また、ドライバーは介護のトレーニングを受けており、乗客の安全を確保するために配慮が行き届いています。
介護タクシーは、乗降時の手助けや適切な姿勢の保持など、移動中のケアを提供できる場合もあります。
これにより乗客は安心して移動でき、急なアクシデントやトラブルを最小限に抑えることができます。
予約すれば好きな時間に利用できる
介護タクシーの利用の際、予約が可能であるという利点があります。
一般のタクシーでは、待ち時間が発生することがあり、特に高齢者や体力的に制約のある方にとっては不便です。
しかし、介護タクシーは事前に予約を入れることができ、好きな時間に利用できます。
これは、医療施設への通院やリハビリテーションの予定がある方々にとって特に重要です。
予定通りにタクシーが到着し、待たされることなく移動できるため、治療やリハビリのスケジュールを守ることができます。
身体の介護も受けられる
介護タクシーは、単なる移動手段だけでなく、身体の介護も提供できます。
介護タクシーを利用する方は身体に何らかの障害を抱えている方が多いため、遠方へ外出する際は社内で介護が必要であることも想定されます。
例えば、車内での食事介助や薬の管理、排泄のサポートなど、乗客の具体的なケアが必要な場合にも対応します。
これは、家庭での介護が難しい場合や外出先での介護が必要な場合に特に役立ちます。
介護タクシーのドライバーは、介護の専門知識を持っており、乗客の健康や安全を最優先に考えたサービスを提供します。
あきらめていた旅行や結婚式などにも参加できる
最後のメリットは、高齢者や障害を持つ方々があきらめていた旅行や結婚式などの特別なイベントにも参加できることです。
これらのイベントは、通常の移動手段だけでは不安や制約があることが多いですが、介護タクシーを利用することで、安心して参加することができます。
例えば、遠くの親戚の結婚式や友人の誕生日パーティーに出席する際、介護タクシーは必要なサポートを提供し、乗客が楽しい時間を過ごすことができるようにします。
これにより、生活の質が向上し、思い出深いイベントに参加できる喜びを提供します。
介護タクシーのデメリットや注意点
メリットもある一方で、介護タクシーの利用にはデメリットや注意すべき点もあります。
それぞれ見ていきましょう。
一般のタクシーよりも費用が高額になることがある
一般のタクシーと比べて、介護タクシーは費用が高いことがあるというデメリットがあります。
これは、介護タクシーが特別な設備や介護サービスを提供するため、運賃が高く設定されているためです。
特に長距離移動や長時間の利用の場合、費用が膨らむことがあります。
しかし、このデメリットを軽減する方法も存在します。
介護タクシーの利用前に、料金体系を確認し、予算内で移動できるように計画することが重要です。
また、地域によっては補助金や割引制度が提供されている場合もあるため、それらを活用することも考えてみましょう。
急な予定の変更には対応が難しい
介護タクシーの利用は通常予約制であり、急な予定の変更に対応が難しいという点がデメリットとして挙げられます。
予約時間やルートが変更される場合、他の予約が詰まっている可能性があり、スムーズな変更が難しいことがあります。
このデメリットに対処するためには、予定の変更が生じた際に早めに介護タクシーの運営会社に連絡し、可能な限り対応してもらうよう努力することが大切です。
また、余裕をもって予約時間を設定することで、急な変更に柔軟に対応できる余地を確保しましょう。
通常のタクシーと比べて利用できるエリアが限られている
介護タクシーは、通常のタクシーと比べて利用できるエリアが限られていることがあります。
特に地方地域や一部の都市では、介護タクシーサービスが提供されていないことがあります。
これにより、一部の地域に住む方々は、介護タクシーを利用する際に制約を感じることがあります。
このデメリットに対処するためには、事前に地域のサービス提供エリアを確認し、利用可能な場所を把握することが必要です。
また、地域自治体や介護支援団体に相談し、交通支援の提案を受けることも考えてみましょう。
予約をとりにくいことがある
介護タクシーの予約をとる際、人気のある時間帯や日にちは競争が激しく、予約が取りにくいことがあるというデメリットがあります。
特に朝や夕方の通院時には多くの利用者が予約を希望するため、希望通りの予約を取ることが難しいことがあります。
このデメリットを克服するためには、予約を取る際に余裕をもって計画することが重要です。
早めに予約を入れるか、複数の予約を試みることで、利用したい日時に近づける可能性が高まります。
また、運営会社に予約状況の確認やキャンセル待ちの設定をすることも考えましょう。
介護の知識や技術を有していないドライバーもいる
最後のデメリットは、介護タクシーのドライバーに介護の知識や技術を有していない場合があることです。
介護タクシーの運転者には、乗客の安全と健康を守るために介護トレーニングが必要ですが、全てのドライバーが十分なトレーニングを受けているわけではありません。
介護タクシーの運転は、普通自動車二種免許の資格さえあれば行えるため、ドライバーが必ず介護に関して熟知しているわけではないことを知っておきましょう。
このデメリットに対処するためには、介護タクシーを予約する際にどのような部分に対して介護や支援が必要なのかを伝えておくことが大切です。
また、介護の専門資格をもった人が多く在籍している介護タクシー会社を選ぶとよいでしょう。
まとめ
介護タクシーは、高齢者や心身に障害のある方々にとって、外出や移動の手段として非常に便利なサービスです。
社会参加の促進、安全な移動、予約の柔軟性、身体の介護、特別なイベントへの参加など、多くのメリットが存在します。
しかし、費用の高さ、予定変更への制約、利用可能なエリアの限定、予約難易度、運転者の資質に関するデメリットや注意点も存在します。
介護タクシーを利用する際には、メリットとデメリットを十分に理解し、計画的な利用を心がけることが大切です。
そして、適切なサポートや情報収集を行いながら、高齢者や障害を持つ方々の生活の質を向上させる手段として活用しましょう。
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