go out TAXI leave a rut

インタビュー | 2024.03.23

【社員インタビューシリーズ第二弾・前岡和宏氏(後編)】 go out taxiの強みや自費事業への思いをお伝えします!

fk.spice(株)の介護タクシー「go out taxi」に勤務する前岡和宏氏へのインタビュー後編です。今回は、go out taxiの強みや自費事業に対する思いや目標についてお話を伺いました。

地域のコミュニティとしてのつながり

go out taxiと一般の介護タクシー事業所との違いはなんでしょうか?

介護保険事業所の方々とコミュニティとしてつながれることが大きな違いだと思います。一般の介護タクシーの場合ですと、移送して単発で終わってしまいますが、我々は介護保険の事業もやっているので、ケアマネさんや施設、訪問看護や病院のケースワーカーさんなどとも関わりがあります。コミュニティとしてつながっていることは大きな強みでもありますね。つながりがあると、事業所の方と話をする時に利用者さんの報告ができます。たとえば「ケアマネの〇〇さんが担当している利用者の△△さん、この前こんな感じでしたよ」といったような報告ができると、事業所側としても欲しい情報がもらえるので、go out taxiにいろいろお願いすると助かるし、安心だと思ってもらえます。

あとは、スタッフ全員が介護・福祉現場の経験者であることです。退院時にご自宅まで移送したら、実は段差だらけで、ご本人は歩けず寝たきりの方。そういう方に、現場を経験したものとして知識や技術があるので、ご自宅のベッドにお連れするところまで保証できる。こういう強みがあります。

地域包括支援センターから相談をいただいた時に対応できる点も強みです。地域住民の方が、近所の方の異変を察知して包括に通報することがあるんです。そこで包括の担当の方が、うちに相談してくれることがあります。包括の方も訪問したわけではないので状況がわからないんですけど、一度受診の対応をしてくれないかと相談されます。うちも訪問介護でいろいろな家に訪問している実績があって信頼していただいているので、なんとかします。と応えています。そういうつながりができているのが強みですね。

介護保険×自費事業の連携

自費と保険事業でうまく連携できているということでしょうか?

そうですね。目標としては保険事業によってまず解決すべき生活の基盤を整える。次に、その生活の先にある旅行や買い物などの支援を自費で進めていきたいと思っています。利用者さんには、そのために頑張りましょうねって提案していけるので、うまいこと自費と保険事業で連携しながら支援できています。

自費事業の内容についてご紹介いただけますか?

買い物支援です。代行もしますし、もちろん一緒に買いにいくこともします。お昼ご飯を一緒に食べるお出かけサービスや、泊まりでの旅行もあります。あとは、これからお掃除のサービスも提供していく予定です。掃除のプロに女性スタッフが指導を受けています。介護保険で掃除となると、日常の最低限の部分に限定されるため、たとえば玄関の外や窓拭きなどはできません。でも、本当にきれいにしたいっていう方もいて、ニーズとしては高いです。介護保険で対応する場合、スタートの時点で解決すべきことが多すぎて、そこに最低限の対応をしても根本的な解決にはなりにくいです。なので、まずは一旦自費で対応させていただき、我々できれいにして、「そこを維持するために介護保険でやっていきましょう」といったようや提案ができるサービスを考えています。今ちょうど準備段階です。掃除は今からでも対応できるのですが、自費ということで保険よりも金銭的にご負担いただく必要があります。料金に見合う質で対応できるように、今じっくり準備しています。

今後、自費のサービスでやっていきたいことはありますか?

ニッチですけど、ニーズがあると思うのは、お墓参りの代行です。遠方のお墓まで行けない方に対して代わりに行ったり、Zoomを使って遠方からリモートでお墓参りしていただいたりできるといいなと思っています。以前、高齢のご夫婦の遠方に住む娘さんが亡くなられた時のことです。ご夫婦は遠方のため行けないとのことで、息子さんがアレクサを使ってオンラインでお葬式に参加させてくださったということがありました。これは面白いなーと思って。なので、一緒に行けない人に対して、我々がカメラなどの器材をもってお墓参りに行き、様子を見ていただく。そしてその場でお墓の手入れなどもできればいいなと思っています。事業として、採算を考えるとまだ固まっていないんですけど、やろうと思えばできます。実際に行けないとしても、「こういう形でお墓参りできるんだよ」「するんだ」って気持ちになってもらえれば、たとえば介護保険のケアプランにしても、目標にして頑張っていけると思うんです。ICTを使うことで、リモートでいろいろなことができそうです。

あとは、本決まりではないのですが、特別支援学校での修学旅行の付き添いの話もいただいています。本来は親御さんの付き添いがないと生徒さんは参加できないのですが、他のご兄弟のお世話などの関係もあり、1泊2日家を離れられないご家庭もあります。そんなときに、一緒についていってくれませんか?と相談をいただきました。学校側は最低限の対応しかできないので、我々が障害をもった生徒さんの身の回りの支援に関わる。こういうことができるのが、自費のいいところだと思います。

特別支援学校での相談はどのような経緯で?

介護タクシーで透析病院に送迎している病院に勤務する看護師さんからご相談をいただきました。その方と障害児支援の看護師さんが知り合いで、修学旅行の付き添いの件で困っていると相談があったんです。それで、透析病院の看護師さんが、うちを紹介してくださいました。

どこの馬の骨かもわからないものに依頼はこないと思うので、やっぱり日々の仕事を質高くやって信頼を得られること。こういう取り組みが面白い依頼につながっていると実感しています。

制度を作り、他社も関われる仕組みが目標

自費事業に限らず、今後どういう目標で働いていきたいとお考えですか?

個人の長期的な目標として、行政に関わっていくことを考えています。政治家になるというわけではないんですが、うちの事業をきっかけに、行政と一緒に制度を作っていくことが目標です。我々が「こんな困りごとがあります」「こういうニーズがあります」「なんとかしませんか行政さん!」って提案ができるようになるくらい影響力をつけて、行政の制度づくりに一緒に関わっていきたいです。行政の街づくりですね。少しずつ進んでいるなという気はしています。

完全に制度化してほしいってわけではないんですけど、スタンダードな制度を作って、行政さんとしても認識してもらって、他の事業所さんでも同じようにサービスが提供できるような仕組みづくりに関われたらと思います。そうなれば、我々は次の新しい仕組み作りを目指して動いていく。こんな目標ですね。

これから就職を検討している方に向けてメッセージをお願いします。

スタッフへの要求、理想はどうしても高くなってしまいます。でも、向いてる方向はとても面白いです。自費の可能性や行政との関わり、障害支援などの新しい事業も始めていくことなど、とても楽しくてやりがいがあります。ただ、ひとつのサービスを具体化してそこに到達するまでは、どうしても現場がバタバタしてしまいます。そこに忙殺されてモチベーションが下がってしまうことがあるかもしれないですけど、その先を見れる人、そこにワクワクを感じられる人と、一緒に働きたいと思います。普段の会話の中でも「これ面白そうじゃない!?」といった話ができるような関係性でありたいですね。まだ小さい組織ゆえに意見はものすごく届きます。事務所にいる時に投げかけたら、必ず誰かが拾ってくれるところがあります。何か新しいことをやってみたい、働き方や支援に疑問を感じているといった人なら、うちに来ていただけたらすごく楽しく働けるんじゃないかなと思います!

介護タクシー「go out taxi」の前岡和宏氏に、自社の強みや今後の目標を聞かせていただきました。
「保険制度で対応できない部分を自費事業で補完し、いつかは制度化していきたい」
地域インフラとして、なくてはならない存在になっていきたいという思いが強く伝わってきました。
次回以降も社員からたくさんの強みや魅力を紹介していきます。お楽しみに!