go out TAXI leave a rut

インタビュー | 2024.06.18

【社長インタビューシリーズ:船戸敬太】 なぜ介護タクシー会社「go out taxi」を立ち上げたのでしょうか?

fk.spice(株)の介護タクシー「go out taxi」を形成する船戸敬太氏へのインタビューです。

今回は、go out taxiの立ち上げた理由についてお話を伺いました。

◆船戸敬太(ふなと・けいた)プロフィール
2010年日本福祉大学卒業。2010年~2016年社会福祉法人愛知県同胞援護会特別養護老人ホーム春緑苑にて特別養護老人ホームの現場職員、主任介護士として勤務。
2017年~2019年単独ショートステイの専任生活相談員として勤務。数多くの緊急対応、虐待、困難事例に取り組む。
2019年~2020年デイサービスの生活相談員、ケアマネジャーとして勤務。
2020年介護タクシー「go out taxi」を創業。

なぜ介護タクシー会社「go out taxi」を立ち上げたのでしょうか?

介護タクシーと立ち上げた最初の背景を伺ってもよろしいでしょうか。

特別養護老人ホームの介護士としてキャリアをスタートさせた時に、入居施設の中は外部との接点がなく1日全ての時間を施設内で過ごす利用者さんを見て、自分自身が相対した皆さんに対して「もっとできることがないのかな?」と感じていました。例えば、施設にずっといるのではなく、外に出て風を感じたり、四季を感じて欲しいと思っていました。

何かきっかけとなることがあったのでしょうか。

七夕のイベントの時に、入所者さんに七夕のお願い事を書いてもらった時に「昔住んでいた〇〇に行きたい!」と書いてくれた方がいました。

しかし、介護士としてはその願い事を『書いて・飾って・お終い』という作業をするだけでした。聞くだけ聞いて、『書いて・飾って・お終い』ということに矛盾を感じました。それなら少しでもその願いを叶えてあげたいと思っていました。

しかし、介護士の若者がそう言ったところで様々なリスクやコンプライアンスなどが引っ掛かることもあり、できないこともわかっていました。そのようなできごとがきっかけで1個目の壁に当たってしまいました。

準備のために次にどんな行動をされたのでしょうか。

職場内でもっと深いところに行かなければ「自分の声が届かないのかな?」と思い、介護士から生活相談員になることを決めました。そこで稼働率など数字をコントロールする部署に行って、自分の知識や知見を広めたいと考えました。

生活相談員に異動することで感じたことはありましたか。

介護士として働いている時は、『外線の電話にも出ない』・『家族に名刺を渡したこともない』・『自分がどこの誰なのかも明かすこともない』という状態でした。しかし、生活相談員として働くようになると全く仕事内容が違いました。

介護保険制度にも触れるようになり、リアルに地域で困った人がどのように門を叩いてケアマネジャーから依頼が来るのかも知るようになりました。そして、毎日ヒリヒリする現場が目の前で繰り広げられたことを知ることができました。

生活相談員として働く中で、介護タクシーを開業するようになった理由を教えてください。

生活相談員として困り事などをフットワーク軽くやっていく中で信頼関係も築けるようにあり、知識・知見が広がるようになりました。しかし、サラリーマンは異動がつきものです。

もしかしたら春日井市の土地から離れて仕事をしなければいけないという可能性が出た時に、自分が培ってきたことをよその土地でゼロからということは考えにくいと思いました。

あとは、どれだけ成果を出したとしても大きな法人の中で自分の声大きくすることは難しかったという結論が出ました。

そして、組織ではなく自分の力でやってみようと思い独立を考えました。

なぜ介護タクシーという選択をされたのでしょうか。

手段や手立てはいろいろありました。介護タクシー一直線ではなかったです。

まず、誰かに迷惑をかけずに、一人で自分の力でやっていける事業ということを考えました。

次に、生活相談員として介護タクシーを手配する側だったのですが、まだまだ地域の中で資源が少ないと感じていました。例えば、介護の経験がある自分だったらできるのではないかという思いもありました。

さいごに、原点に返り、七夕の時の思いが蘇ってきました。介護タクシーであれば、願いも叶えられるかもしれないと思いました。

そのようなことを総合的に考えて、「介護・福祉の経験がある人が運転する介護タクシーが地域にあっても良いのではないか!」と思い、介護タクシーでの開業を決意しました。

これからのビジョンはありますか。

社名が「fk.spice(株)」(エフケイスパイス)といいます。

fは福祉kは介護という意味を持たせています。既存の福祉、介護の世界にspiceを。そして関連性のない世界にも福祉、介護のspiceを加えて、素敵な地域社会の形成の為の一翼を担えたらと願いを込めました。

『街を作る。街を守る』という会社でありたいと思っており、その手段で現在は訪問介護と介護タクシーの事業を行っています。

安心安全にこの街で暮らすために自分たちが必要な資源になりたい!電気・ガス・水道と同じように福祉というライフインフラになりたい!と考えています。

そのためにも夜間の訪問介護もやっていますし、民間の救急という形もとらせていただいており日夜動いています。

福祉を通して街を作り・街を守るというビジョンでやっています!一緒に街を作り・街を守るような人とこれからもお仕事したいですね!