コラム | 2024.07.27
遺品整理の仕事内容とは?大変なことややりがいを解説!

遺品整理は、亡くなった方の生活の痕跡である遺品を整理し、適切に処分・供養する仕事です。
遺族の代わりに故人の人生を感じ取りながら、大切にしてきた思い出の品をていねいに扱うことが重要な役割となります。
整理作業を進める中で、遺品から故人の人となりや生き方を知ることになり、遺族の気持ちに寄り添うことで精神的な負担も伴います。
しかし一方で、遺族の気持ちを少しでも軽くでき、社会的ニーズにもこたえられるという点で、やりがいのある仕事です。
本記事では、遺品整理の仕事内容や大変なこと、やりがいについて解説します。
遺品整理の仕事内容
遺品整理は、故人がのこした品々を一つひとつていねいに確認し、適切に処理する仕事です。
主な業務は以下のとおりです。
- 故人の持ち物を仕分ける
- 不要な物を処分する
- 家屋の掃除・クリーニングをする
- 遺品の供養をする
それぞれ見ていきましょう。
故人の持ち物を仕分ける
まずは故人の遺品を一カ所に集め、仕分けします。
遺族と打ち合わせしながら、大切な品か処分できる品かなどを判断し、遺品を細かくカテゴリー分けしていきます。
たとえば「遺族が引き取る大切な遺品」には、故人が生前愛用していた物や、思い出の詰まった手紙・アルバムなどがあるでしょう。
故人がのこした日記や手紙には、その人の人生観や生き様が凝縮されています。
遺品整理の仕事では、そうした遺品一つひとつに込められた思いを感じ取り、大切に扱う必要があります。
不要な物を処分する
遺族の了承を得たうえで、不要と判断された遺品は、適切な方法で処分します。
時には故人の思い出の品でも、遺族の意向を尊重し処分せざるを得ない場合もあるでしょう。
遺品の中には、一見不要に見える品でも、故人にとって大切な思い入れがあるかもしれません。
そのため、遺族への細かな聞き取りを行い、そうした思い出の品を見逃さないよう気をつける必要があります。
家屋の掃除・クリーニングをする
遺品の整理がひととおり終われば、次は故人の居住空間の掃除に入ります。
状況に応じて、カーペットの洗浄やハウスクリーニングまで行うのも、遺品整理の仕事です。
物件の状態や遺族の意向を踏まえ、ていねいな対応を心がけます。
遺品の供養をする
処分の対象と判断したものでも、ごみとしての処理が難しいものは「供養が必要な遺品」として、お焚き上げをすることがあります。
遺族と話し合い、供養の対象とするかどうかを決めます。
お焚き上げすることで悲しみから抜け出し、「故人とお別れした」ことになるため、しっかり話しておくことが大切です。
遺品整理の仕事で大変なこと
遺品整理の仕事では、以下のように故人・遺族の思いや仕事の身体的負担などによって大変だと感じることもあります。
- 遺族に感情移入してしまう
- 故人の思いをすべて把握できるわけではない
- 整理する環境によっては身体的負担が大きい
それぞれ見ていきましょう。
遺族に感情移入してしまう
遺品整理を進める中で、故人の生き様が徐々にわかってくるものです。
愛用品からあふれる人柄や、日記からうかがえる人生観など、遺品から故人の人となりが浮かび上がってきます。
その過程で故人への共感を覚え、過剰に感情移入してしまうリスクがあります。
たとえば、日記に書かれていた「将来○○を実現したい」という夢が結局かなえられないまま亡くなってしまった場合など、切ない気持ちになってしまうかもしれません。
遺品整理は、冷静にプロの仕事を遂行していく必要があり、故人へ過剰に感情移入しすぎないための心構えが重要になります。
故人の思いをすべて把握できるわけではない
故人がどのような思いや願望を持っていたのかを完全に理解することは困難です。
のこされた品物から推測はできますが、故人の人生全てを知ることはできません。
書かれていない部分や、故人の内面の気持ちなどを知ることはできないのです。
そのため、遺族に寄り添う形で整理は行えますが、故人の意向をすべて尊重することには限界があります。
遺品から感じ取れることには制限があり、それが遺品整理の難しさの一つとなっています。
整理する環境によっては身体的負担が大きい
極端な例として、ごみ屋敷のような場合では、体力的にかなりの負荷がかかります。
ごみの山の中から遺品を探し出し、長年の生活の積み重ねで散らかった空間を掃除・片付けをしていく作業は並大抵のものではありません。
また、一見きれいに見える住居でも、遺品の量が多すぎれば重労働になることがあります。部屋の隅々まで散らかっていたり、かつて趣味で集めていた膨大な蔵書の整理をしたりなど、予想以上の作業が発生するケースも少なくありません。
そういった環境では、自身の体を痛めないよう、細心の注意が必要になります。
遺品整理の仕事のやりがい
遺品整理の仕事は大変なことも払拭できるくらいに、大きなやりがいもあります。
- 遺族の思いにより添える
- 異なる状況の中で問題解決能力が身につく
- 社会的ニーズを解決する役割を担える
それぞれ見ていきましょう。
遺族の思いにより添える
遺品整理の仕事のやりがいは、なんといっても遺族の思いにより添える点にあります。
遺族の気持ちをくみ取りながら、大切にされてきた品々をていねいに扱うことで、遺族の肉体的・精神的な負担を大きく軽減できるのです。
遺族によっては、精神的につらい思いから遺品を見ることさえできない場合もあります。
しかし遺品整理の仕事で代わりに作業を進めることで、遺族の重荷を少しでも軽くできます。
さまざまな事情に合わせ、寄り添った対応を心がけることで、遺族の本当の気持ちに寄り添えるのがこの仕事のやりがいの一つなのです。
異なる状況の中で問題解決能力が身につく
遺品整理の現場では、故人の生活環境や遺品の量、種類はさまざまです。
日々、新しいケースに直面することになり、それぞれに柔軟な対応が求められます。
たとえば、ある家庭では生前の趣味で集めた大量の本や古書が遺品となっていた場合、どのように処理すべきか検討する必要があります。
また、持ち主不明の品物が出てきた時の対処法なども、場合によって考えていかねばなりません。
そうした経験を重ねるごとに、問題解決能力が身につき、スキルがアップしていくのです。
社会的ニーズを解決する役割を担える
日本は世界でも有数の高齢化社会を迎えており、今後ますます遺品整理への需要が高まることが予想できます。
遺品整理業は、今後社会にとってなくてはならないサービスになっていくでしょう。
人々の生活を支援し、社会から強く求められるニーズにこたえる存在となれ、誇りをも
てます。
単に仕事をするだけでなく、重要な社会的役割を担っているという自覚をもてるのが、この仕事の大きなやりがいといえるでしょう。
まとめ
遺品整理は故人の遺品を整理・処分し、供養するという大切な役割を担っています。
遺族に代わり、故人の生活の痕跡をていねいに扱うことが求められる一方で、故人の思いを感じ取り、過剰な感情移入のリスクもあります。
さらに遺品の量や環境によっては肉体的にも大変な作業になるケースもあります。
しかし、精神的・肉体的に遺族の重荷を少しでも軽減できること、今後ますます需要が高まるサービスを提供できることから、非常にやりがいのある仕事だといえるでしょう。
社会に貢献しながら、さまざまな課題に立ち向かう中で、自身のスキルアップを図れる仕事なのです。