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コラム | 2024.04.22

社会福祉士の資格の活かし方は?介護タクシー会社で役立つ理由を解説

社会福祉士は、社会的な支援や福祉の分野で高度な知識とスキルを持つ専門家です。

その活用範囲は幅広く、さまざまな機関で働いています。

しかしながら、社会福祉士の資格を活かす方法のひとつに「介護タクシー」があるのを知らない方は多いのではないでしょうか。

本記事では、社会福祉士が介護タクシーで活かせる専門性やスキルを紹介します。

社会福祉士の主な勤務先

まずは社会福祉士が一般的に働く場所について見ていきましょう。

主な勤務先には以下があります。

  • 地方自治体
  • 地域包括支援センター
  • 医療機関
  • 介護老人保健施設
  • 特別養護老人ホーム
  • 障害者施設
  • デイサービス
  • 児童福祉施設
  • 学校
  • 社会福祉協議会

それぞれ見ていきましょう。

地方自治体

社会福祉士は、地方自治体での勤務が一般的です。

地域社会の福祉の向上に貢献し、住民への支援を行います。

たとえば、高齢者や障害者向けの支援プログラムの提供や、役場の福祉事務所において生活保護の審査を行うなど、地域社会の健全な発展に寄与します。

地域包括支援センター

相談窓口になり、住民の権利擁護や総合相談に関わる相談に応じます。

具体的には以下の業務内容です。

  • 高齢者への虐待の防止や早期発見
  • 成年後見人など権利擁護に関わる相談
  • 自宅や施設などの訪問による高齢者の状況確認
  • 一人暮らしの高齢者世帯や高齢者夫婦世帯の安否確認

病院

病院では患者や家族の相談に応じることを主な業務としています。

また、医療スタッフと連携して患者の社会復帰や自立支援に向けた援助も行います。

退院後の生活支援に関する相談にも応じ、患者の家族や介護者に対して介護の方法や介護保険制度についての説明やアドバイスをするのも社会福祉士に求められる大切な仕事です。

退院時に介護保険が必要な方に対しては、担当のケアマネジャーと連携してケアプラン作成の援助をしたり、退院後の生活支援の手配をしたりもします。

介護老人保健施設

介護老人保健施設は、高齢者の医療と介護を統合した施設です。社会福祉士は支援相談員として利用者や家族の相談援助を行います。

施設によっては介護業務と兼務する場合もあります。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームも介護老人保健施設と同様に、利用者や家族の相談援助業務がメインです。

介護老人保健施設との大きな違いは在宅復帰する方が少ないため、在宅へ向けたサービス調整がほとんどないことです。

しかしながら、必要に応じて医療機関や行政機関との連絡調整などが求められることもあり、幅広いスキルや知識が必要とされます。

障害者施設

障害者施設での業務内容は、身体的または知的な障害をお持ちの方への支援です。

具体的には、利用者の相談対応、家族との連絡・調整、自立へ向けた支援や援助などがあります。

個別のニーズに合わせた支援プランを作成し、施設内での生活を支えます。

デイサービス

デイサービスは、高齢者や障害者が施設に通い、一日を過ごす中で介護を提供するサービスです。

社会福祉士は利用手続きや相談援助業務などを行います。

場合によっては現場の介護業務と兼務することもあります。

児童福祉施設

児童福祉施設では、子供たちの心身の発達をサポートします。

社会福祉士は、子供たちのケアを担当し、彼らが安全で健康的に成長できる環境を提供します。

学校

学校での社会福祉士の役割は、生徒やその家族へのカウンセリングや支援です。

学業や社会的な問題に直面する生徒たちに対して、心の安定と学業の成功をサポートします。

社会福祉協議会

社会福祉協議会は、地域社会の福祉活動を推進する組織です。社会福祉士は、福祉プログラムの計画と実施に携わり、地域の福祉資源を活用して社会の健全な発展を促進します。

社会福祉士の資格の活かし方に介護タクシーという選択肢もある

介護タクシーといえば、高齢者や心身に障害のある方が利用する交通手段です。

ドライバー業務であれば介護や福祉の資格がなくとも従事できますが、それらの資格を持っていることで発揮できる大きな強みがあります。

以下では社会福祉士の資格を活かせる勤務先として、介護タクシー会社があることを紹介します。

社会福祉士の資格が介護タクシーで活かせる理由

社会福祉士の資格が介護タクシーで活かせる理由には、以下があります。

  • 地域の社会資源を紹介できる
  • サービス事業所との連携や行政手続きに精通している
  • 地域のニーズを把握する

上記のように、多岐にわたる移動手段として重宝される特徴があります。

しかしながら社会福祉士の資格がなぜ介護タクシーに役立つのか、疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

ドライバー業務を行いつつ、プラスアルファとしての価値を提供できる社会福祉士の専門性を見ていきましょう。

地域の社会資源を紹介できる

社会福祉士は地域の社会資源に詳しいため、介護タクシーの利用者が日常で困っていることや必要になりそうなサービスについての予測が得意です。

たとえば、介護タクシーを利用する方は足腰に不自由さを感じている方もおられます。

そういった方に対して「家の中でどのように移動しているのだろうか」「介護が必要なら家族構成はどうなっているのか」といった生活背景を予測できるのです。

もし利用者が介護保険を利用していない方であれば、生活の困りごとを解決できる社会資源を「介護保険の利用」という形で紹介できる可能性があります。

サービス事業所との連携や行政手続きに精通している

地域の社会資源を紹介できるとはいえ、社会福祉士がサービス事業所へ勝手に手続きするわけにはいきません。

しかし、利用者や家族に対して手続きの方法を伝えることは可能です。

生活に困っている利用者には、利用したいサービスが漠然とあったとしても、どのような手順で手続きしたらよいのかわからないという方は少なくありません。

その際地域の事業所との連携や行政手続きの方法に精通している社会福祉士が助言し、手続きの第一歩について支援できれば、適切なサービス利用につなげられる可能性があるのです。

通常の介護タクシー会社では、多くのドライバーは普通自動車二種免許しか保有していません。社会福祉士の資格保有者が介護タクシー会社で働けば、ドライバー業務をしつつ、生活に対する困りごとの把握やサービス利用への手助けをできる点が大きな強みといえるでしょう。

地域のニーズを把握する

介護タクシーの利用者は、心身の状態や生活背景などがそれぞれ異なります。

地域のタクシー会社の中でさまざまな利用者と接していると、その地域の中で暮らすことの課題やニーズが少しずつわかってくるでしょう。

地域包括ケアシステムにおいては、利用者が住み慣れた地域で長く暮らしていくために必要な生活基盤を整えることが求められています。

社会福祉士のように地域資源や利用者ニーズを把握するスキルを持った人が介護タクシーで働ければ、専門性を大きく活かせることでしょう。

まとめ

社会福祉士の資格は、介護タクシー会社で非常に役立つものです。彼らは地域資源の知識や利用者の生活への理解、地域との連携を通じて、高齢者や障害者の生活を支える役割を果たします。

介護タクシーの利用者が快適で安心な移動をするためには、社会福祉士の専門知識とスキルが重要です。

社会福祉士は、地域の福祉活動においても不可欠な存在であり、社会の健全な発展に貢献しています。