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コラム | 2024.06.17

人工呼吸器利用者の外出支援における注意点7つについて解説します!

進行性の難病や呼吸器・循環器の疾患等により自発呼吸が困難な方にとって、人工呼吸器の使用は命をつなぎとめる重要な手段となります。

しかし、生命活動の維持にのみ着目した結果、その方の余暇や趣味などのサポートがないがしろにされることも少なくありません。

そこで本記事では、人工呼吸器利用者が安全に外出できるよう、7つの注意点について解説します。また、外出に必要となる物品についても紹介していきます。ぜひ参考にしてください。

人工呼吸器利用者の外出支援における7つの注意点

人工呼吸器利用者の外出支援では、以下7つについて注意していきましょう。

  1. 体調を常に確認する
  2. 姿勢の崩れがないか確認する
  3. 車椅子がバランスを崩さないように気を付ける
  4. 必要物品を不足なく揃えておく
  5. 人工呼吸器回路の巻き込まないようにする
  6. 不整地の移動で機器がずれないようにする
  7. アラーム音にただちに対応する

それぞれ解説していきます。

1. 体調を常に確認する

人工呼吸器利用者の外出において最も重要なポイントは、常に体調を確認することです。

外部からの刺激や異常によってさまざまな不調を起こす可能性があるため、定期的にモニタリングしましょう。

主に以下について確認します。

  • バイタルサイン(意識レベル・血圧・脈拍・体温)
  • 表情
  • 呼吸困難感の訴えの有無
  • 呼吸数・呼吸パターン・呼吸音、胸郭の動きなど
  • 痰の量・性状
  • 疲労度・チアノーゼの有無・四肢の冷感など

利用者自身の感覚や不安なども注意深く観察し、状況変化に即座に対応することが求められます。

2. 姿勢の崩れがないか確認する

外出先での姿勢の管理は、利用者が快適に移動するためや体調を維持するうえで不可欠です。

ストレッチャーや車椅子など必要な機器に応じて、姿勢が保持されているか確認しましょう。

マットやポジショニング用のクッションなどを利用し、安楽な姿勢になっていることが大切です。

車の揺れによって体制が崩れないかも確認しましょう。

3. 車椅子がバランスを崩さないように気を付ける

社内に限らず外出先でも移動の介助をする必要があります。

車椅子での移動介助では、人工呼吸器の重みによって重心が後ろに移動してしまうことがしばしばあります。

車の乗り降り、外出先での不整地の移動など、軽微な段差の移動においても車椅子がガタつき、バランスを崩す可能性があることを知っておきましょう。

支援する介助者が不自然な姿勢にならないことも大切です。

4. 必要物品をリストアップしてそろえておく

必要物品をリストアップし、不足なくそろえておくことも大切です。

外出先で必要になるはずなのにうっかり忘れていたという事態は避けたいものです。

場合によっては命にも関わるため、必ずリストアップしましょう。

また、必要に応じて物品の配置や取り扱い方法、不具合があった場合の対処法などもまとめておくのをおすすめします。

5. 人工呼吸器回路の巻き込みや接続に注意する

外部の環境では、人混みや狭いスペースでの移動も想定されます。

このような状況での人工呼吸器回路の管理は非常に重要です。

回路が障害物に触れたりからまったりすることで、故障や接続に問題が生じる危険性があります。

必ず定期的に確認しましょう。

6. 不整地の移動で機器がずれないようにする

外出時には平坦な場所だけでなく、不整地や段差も横断する必要があります。

利用者が安全に移動できるように、車椅子や人工呼吸器の機器が不整地でずれないよう注意しましょう。

介助者が常に注意をはらうとともに、日頃から移動時のトレーニングやシミュレーションを行うことも大切です。

7. アラーム音にただちに対応する

人工呼吸器は異常を感知した際にアラーム音がなります。

その際は、利用者の換気が維持されているか、機器に異常がないかを確認しましょう。

また、外部環境によってはアラーム音に気づかない場合も考えられます。

視覚的に確認できるよう複数の介護者で対応できるようにしておくことも大切です。

まとめ

人工呼吸器利用者の外出支援は、余暇や趣味などをサポートすることでQOLを向上させる重要な取り組みといえます。

一方で医療的なリスクが高いともいえるため、細心の注意をはらって対応しなければなりません。

紹介したポイントをおさえながら、安全で快適な外出をサポートしましょう。