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コラム | 2024.06.29

ヘルパーの仕事内容とは?やってはいけないことと心構えも解説!

ヘルパーとは訪問介護のことであり、自宅へ訪問して利用者の介護をする仕事です。

しかし、介護施設やデイサービスで働く介護職員の中には、ヘルパーの仕事にはどんなものがあるのか知らない方もいるでしょう。

本記事では、「ヘルパーの仕事内容とは?」をテーマに、身体介護、生活援助、通院介助などの具体的な業務から「やってはいけないこと」として利用者以外への援助や医療行為について触れます。

記事後半では「ヘルパーの仕事をするための心構え」に焦点を当てて解説していきます。

施設での介護業務から在宅分野への仕事へ転職を考えている方は、ぜひ最後までお読みください。

ヘルパーの仕事内容とは?

ヘルパーとは、高齢者や障がい者など、日常生活において支援が必要な方々の自宅に訪問して介護を行う仕事です。

介護保険で行う「訪問介護」に該当します。

ヘルパーの仕事は大きく以下3つがあります。

  • 身体介護
  • 生活援助
  • 通院介助

それぞれについて見ていきましょう。

身体介護

身体介護は、利用者の身体的なケアに関する業務です。

入浴や排泄の介助、身体の清潔保持など、利用者の身体に直接触れる仕事が該当します。

介護度が高く、ご自身で寝返りや起き上がりができない方などは、褥瘡発生のリスクが高いため、体位交換なども必要に応じて行います。

以下に身体介護の一覧を列挙しますので、参考にしてください。

  • 食事介助:食事の準備、摂食介助、口腔ケア
  • 入浴介助:衣服の着脱、浴室内介助、洗身・洗髪など
  • 排泄介助:トイレへの付き添い・誘導、着脱介助、排泄物の始末
  • 移動介助:歩行や車椅子での移動に関する支援
  • 更衣介助:衣服の着脱全般の支援
  • 清潔保持:入浴できない方の全身を清拭する
  • 体位交換:褥瘡予防のための体位変換支援

身体介護は利用者の身体に直接触れるため、信頼関係を構築できるようにコミュニケーションをとりながら行うようにしましょう。

生活援助

生活援助では、利用者の生活全般にわたるサポートをします。

食事の調理や掃除、洗濯など、多岐にわたります。

生活援助の内容は以下のとおりです。

  • 料理:買い出しも含む
  • 洗濯:洗濯物を干したり取り込んだりすることも含む
  • 掃除:利用者が日常的に使う部屋
  • 買い物:生活必需品・日用品・生活家電の購入など
  • その他:ゴミ出しや薬の受け取りなど

これらを見ると、生活援助は家事代行のように思う方もいるかもしれません。

しかし、介護保険の理念として自立支援がうたわれていることからも、あくまで自立した生活を営むために行うことだとヘルパーは認識する必要があります。

通院介助

通院介助では、利用者が医療機関へ通院する際のサポートをします。

通院介助で行う一連の内容は以下のとおりです。

  • 通院にかかる準備:持ち物や着替えなど
  • 付き添い:利用者宅と病院間の付き添いを行う
  • 乗降介助:交通機関の乗降時の介助
  • 窓口での手続き:受診の手続きや薬の受け取り

注意点として、病院内での介助は通院介助とはみなされません。

院内で受ける介助は基本的に医療保険のサービスに該当するからです。

やむを得ず院内での介助が必要になる場合は、ケアプラン内に組み込んでもらう必要がありますので、担当のケアマネジャーと確認をとっておきましょう。

ヘルパーの仕事内容としてやってはいけないこと

ヘルパーの仕事には、遵守すべきルールや倫理が存在します。

以下に、やってはいけないことをいくつか紹介します。

  • 利用者以外への援助
  • 日常生活の援助から逸脱したサービス
  • 医療行為

利用者以外への援助

ヘルパーの仕事内容の対象は、利用者本人でなければなりません。

たとえば利用者家族への援助は行ってはいけないことになっています。

利用者家族が要介護状態だとしても、契約しているのが利用者だけであれば、家族への支援は認められないため注意しましょう。

もし家族への支援が必要そうであるのなら、家族のケアマネジャーに相談のうえ、別途契約してもらう必要があります。

日常生活の援助から逸脱したサービス

ヘルパーは利用者の生活支援に従事しますが、過度な介入や専門外の業務を行ってはいけません。

たとえば生活援助サービスの中で掃除を見てみましょう。

あくまでも生活空間の掃除という位置づけであるため、草むしりや庭の手入れなどは対象外なのです。

ほかにも、料理であれば利用者の分だけ作るのが原則であり、家族の分まで一緒に作ってはいけません。

医療行為

ヘルパーは医療従事者ではありません。

医療行為は医師や看護師などの専門職が担当する仕事内容であるため、ヘルパーが行ってはいけません。

たとえば以下の内容はヘルパーが行ってはいけない行為です。

  • インシュリン注射
  • 褥瘡の処置
  • 在宅酸素の管理
  • 人工呼吸器の管理
  • 中心静脈栄養
  • 痰の吸引
  • 経管栄養

※一定の研修を受ければ可能

上記の医療行為をヘルパーが行うと法律違反になってしまいます。

決して行わないようにしましょう。

ヘルパーの仕事をするための心構え

ヘルパーとして働くためには、特定の心構えが必要です。

以下に、そのポイントを紹介します。

  • 自立支援の観点で対応する
  • 利用者の異変に気づけるようにする
  • 常に医療・介護の知識を深める必要がある

自立支援の観点で対応する

ヘルパーは利用者の自立をサポートする立場にあります。利用者ができることを最大限尊重し、自分でできる範囲を広げるお手伝いをすることが大切です。

たとえば、歩行のサポートが必要な場合、補助具の活用やリハビリの提案を通じて、利用者が歩行能力を維持・向上させるようサポートします。

利用者の異変に気づけるようにする

利用者の健康状態や生活に変化が生じた場合、ヘルパーは敏感に気づく必要があります。

早期に問題を把握し、適切な対応をすることが重要です。

たとえば、突然の体調不良や異変が見られた場合、それが深刻な病状のサインである可能性があるため、速やかに医療機関やケアマネジャーへの相談などが求められます。

常に医療・介護の知識を深める必要がある

医療や介護の分野は絶えず進化しています。ヘルパーは常に最新の知識を取り入れ、スキルの向上に努めることが求められます。セミナーや研修への積極的な参加が大切です。

新しい介護技術や福祉サービスの提供方法について学び、実践に活かすことで、利用者により質の高い支援を提供できるようになるでしょう。

まとめ

ヘルパーの仕事は利用者の生活をサポートし、彼らがより豊かな日常を送るために尽力する貴重な仕事です。

しかし、その一方で遵守すべきルールや心構えも存在し、それらを理解し守ることが求められます。

ヘルパーとしての使命感と専門性を持ちながら、利用者との信頼関係を築いていくことが、より良い介護サービスの提供につながります。

ヘルパーの仕事は社会において不可欠な存在であり、その価値を理解し、専門性を高めていくことが重要です。