コラム | 2024.06.23
ヘルパーが感じているストレスとは?対処法もあわせて解説!
自宅へ訪問して介護の仕事をするヘルパーには、さまざまなストレスがつきまとっています。
利用者との人間関係や身体的負荷、感染症リスクなどに加え、業務外の作業を求められたりヘルパー同士の方針の違いに悩まされるなど、さまざまな課題に直面しています。
このようなストレスを放置すれば、ヘルパー自身の健康被害や精神的ダメージ、ひいては介護の質の低下にもつながりかねません。
本記事では、ヘルパーが抱えがちなストレスの具体例と、それらに対処するための有効な方法を詳しく解説します。
ヘルパーが感じているストレス
ヘルパーは、高齢者や障がい者の自宅や施設に出向き、入浴、排せつ、食事などの身体介護、掃除、洗濯、買い物などの生活援助をおこなっています。
その仕事には以下のようにさまざまな困難が伴います。
- 身体的にきつい
- 利用者との関係がうまくいかない
- 利用者が感染症対策をしてくれない
- 利用者の支援の方向性が他のヘルパーと異なる
- 通常業務以外の仕事を頼まれる
それぞれ見ていきましょう。
身体的にきつい
ヘルパーは、利用者の身体を直接介護する立場にあるため、腰痛や肩こりなどの身体的負担が大きくのしかかってきます。
特に、重度の要介護者を入浴介助する場合は、利用者の身体を浴槽に運ぶなど激しい力仕事が必要となるため、腰への負荷が非常に高くなります。
そのような仕事が続くことで、慢性的な疲労も蓄積しやすくなっています。
利用者との関係がうまくいかない
ヘルパーと利用者は、お互いの性格の相性が合わないなどの理由から、時に人間関係のトラブルが生じてしまうことがあります。
利用者の認知症の有無や程度によっては、理不尽な要求をされたり、暴言や暴力を受けたりすることもあり、ヘルパーとしては大きなストレスになるでしょう。
利用者が感染症対策をしてくれない
近年のコロナ禍を経て、感染症への意識は社会全体で高まっています。
しかし、高齢者や障がい者の中には、感染症への危機意識が低い方も少なくありません。
咳エチケットやマスク着用、手洗いなどの予防対策をおこたる利用者が多いと、ヘルパー自身が感染するリスクが高まることから、常に強い不安を抱えることになります。
利用者の支援の方向性が他のヘルパーと異なる
同一の利用者に対して複数のヘルパーが訪問する場合、ヘルパーごとに利用者への接し方や支援の方針が異なることがあります。
たとえば、自立を促す支援か介護に頼りきる支援かの違いなどです。
このような違いがあると、利用者を混乱させてしまう上、ヘルパー同士も対立する原因となり、大きなストレスを感じることになります。
通常業務以外の仕事を頼まれる
ヘルパーの本来の職務は、利用者の身体介護や生活援助です。
しかし、利用者やその家族から、窓ふきや庭仕事といった、ヘルパーが行えない業務外の作業を求められることもあります。
本来の仕事とは異なるため、要求されることにストレスを感じ、しばしばトラブルにも発展してしまいます。
ヘルパーがストレスを感じた時にすべきこと
ヘルパーがさまざまなストレスに直面することは、避けられないかもしれません。
しかし適切な対処法を心がけることで、ストレスを上手に発散・解消し、健全な気持ちで働くことができます。
ストレスを感じた時にしておきたいことは、以下のとおりです。
- 先輩や上司に相談する
- 仕事以外に楽しみを見つける
- 価値観が異なると割り切る
これらを意識しておこなうことで、ストレスを効率的に解消できる可能性があります。
先輩や上司に相談する
ストレスを感じた時の第一歩は、先輩やリーダー、上司に相談することです。
経験豊富な先輩ならば、同様のケースに遭遇した際の対処法をアドバイスしてくれるでしょう。
上司に現状を説明すれば、作業の割り振りの調整や職場環境の改善など、具体的な対策を講じてくれる可能性があります。
一人で抱え込まず、周囲に助けを求めるのが賢明な対処法と言えます。
仕事以外に楽しみを見つける
ストレスを発散する有効な手段として、趣味や習い事を持つことをおすすめします。
ヘルパーという仕事は人の役に立つ喜びはあれど、常に高い緊張感が求められ、ストレスをためてしまうからです。
そのため、仕事とは異なる分野での活動に打ち込むことで気分転換をし、意識的にストレスを発散するようにしましょう。
たとえば、スポーツをすれば運動不足も解消できますし、読書や学習で新しい知識を得ることもできます。
また、ボランティア活動や地域イベントへの参加なども、視野を広げられる良い機会となります。
このように生活にメリハリをつけることで、ストレスを発散しましょう。
価値観が異なると割り切る
介護の現場では、ヘルパーや利用者、家族との価値観のぶつかり合いに悩まされることも多々あります。
たとえば、先述したような「自立を促す支援」か「介護に頼りきる支援」にするのかで、対立することもあるでしょう。
しかし、すべての立場の人の考え方を完全に一致させることは不可能です。
このような場合、お互いが異なる価値観を持っていることを認め合い、それを受け入れる姿勢が重要となります。
ヘルパー1人で利用者の人生観を変えようと無理をするのではなく、自分自身の価値観を曲げずに、お互いの違いを尊重し合うことが大切なのです。
そうすれば、無用なストレスから開放されます。
まとめ
介護の現場で働くヘルパーは、利用者との関係や身体的負担、感染症のリスクなど、さまざまな要因からストレスを抱えがちです。
ヘルパー同士の方針の違いや、業務外の作業を求められることも、ストレスの原因となっています。
しかし、先輩や上司に相談したり、趣味を持って気分転換をしたり、お互いの価値観の違いを認め合うなどの対処をすれば、ストレスを発散・解消できます。
ヘルパー自身がストレスマネジメントを心がけ、健全な精神状態を保つことが何より重要なのです。
今日からでもストレスを感じた時にすべきことに取り組んでみてください。