コラム | 2024.07.07
ヘルパーが利用者宅のトイレ借りるのはNG!理由と対策を紹介!

利用者宅を訪問するヘルパーにとって、トイレの問題は深刻です。
排尿や排便は生理的な現象であるため、避けられるものではありません。
しかし、利用者宅でトイレを借りることは避けるべきです。
本記事では、利用者宅でトイレを借りることがNGな理由と、対策について詳しく解説します。
ヘルパーが利用者宅のトイレ借りるのはNGな理由
介護の現場においては、ヘルパーが利用者宅のトイレを借りることは避けるべきです。
理由は主に3つあります。
- ヘルパー自身が感染源になるから
- プライバシーに配慮が必要だから
- 水道代は利用者の負担だから
それぞれ見ていきましょう。
ヘルパー自身が感染源になるから
ヘルパーは、高齢者や病気の方々の生活を支援する専門職です。
利用者は、体力や免疫力が低下している方も多く、感染症にかかりやすいといえます。
そのため、ヘルパー自身が風邪やインフルエンザ、胃腸炎などの病気の感染源になってはいけません。
もしヘルパーが利用者宅のトイレを利用した後、手を十分に洗わずにほかのお宅を訪問すると、トイレから持ち帰った病原体を利用者に移してしまう可能性があります。
高齢者や病気の方は免疫力が低下しているため、軽い症状でも重症化しやすいのです。
プライバシーに配慮が必要だから
介護の現場では、利用者のプライバシーを守ることが大切です。
トイレはプライベートな空間であり、自分の家のトイレを見られたくないと思う利用者は一定数います。
たとえば、ヘルパーがトイレの中に利用者の私物を見てしまったり、利用者がトイレ内での様子を気にかけたりすることで、落ち着かなくなることもあるでしょう。
自分の家にいるにもかかわらず、余計な心配をかけてはいけません。
水道代は利用者の負担だから
ヘルパーが利用者宅のトイレを借りると、水道代の負担が利用者側に発生します。
ヘルパーは介護サービスの提供者として報酬を受け取っているため、サービス提供に関連しない費用を利用者側に発生させるべきではありません。
水道代そのものの金額は些細かもしれませんが、それが積み重なれば利用者の経済的負担になります。
特に低所得の利用者にとっては、無駄な出費を避ける必要があります。
ヘルパーがトイレに困らないための対策
上記の理由から、ヘルパーは利用者宅でトイレを借りるべきではありません。
しかし人間誰しもトイレに行きたくなるときがあるのも事実です。
そこで、次のような対策を取ることをおすすめします。
- 訪問前と昼休みには必ずトイレを済ませる
- 水分はほどほどにする
- 利用者宅でのお茶やお菓子は断る
- トイレの場所を把握しておく
それぞれ見ていきましょう。
訪問前と昼休みには必ずトイレを済ませる
利用者宅を訪問する前と、昼休みの時間には必ずトイレに行っておきましょう。
事前に身体の調子を整えておけば、利用者宅で我慢する必要がなくなります。
たとえば、出勤時や昼食前後には必ずトイレに立ち寄るルーティンをつくっておくと良いでしょう。
時間に余裕を持って行動することで、ストレスなく対応できます。
水分はほどほどにする
たくさん水分を摂取すると、トイレに行きたくなる頻度が高くなります。
業務中の水分摂取量をコントロールし、過剰にならないよう気をつける必要があります。
一般的な目安として、1日1.5~2リットルの水分補給が推奨されています。
しかし、暑い日や活動量の多い日はもう少し多めに取る必要があります。
ヘルパーは利用者宅を移動しながら業務を行うので、環境に合わせて適切に水分を調節しましょう。
利用者宅でのお茶やお菓子は断る
利用者から飲食物を勧められることがあります。
しかし、水分や食べ物を摂取するとトイレに行きたくなる可能性が高まるので、できれば遠慮するのが賢明です。
「申し訳ありません。仕事中なのでお気持ちだけいただきます」など、丁重に断る言葉を覚えておくと良いでしょう。
利用者の気持ちを損ねずに、自身の業務に専念できます。
トイレの場所を把握しておく
万が一、本当にトイレに行きたくなった時のために、訪問ルート上にあるコンビニや店舗、公共施設などの場所を事前に把握しておくことが大切です。緊急時に素早く対応できるでしょう。
利用者宅のトイレを借りるのは避けた方が賢明です。代わりに、訪問先へのルート周辺にあるトイレの場所を確認しておけば、気兼ねなく立ち寄ることができます。
最初の訪問時に利用者宅周辺の地図アプリを確認したり、経路を実際に下見したりして、トイレの場所を事前に把握しておくと良いでしょう。
緊急時にはスムーズに対応でき、利用者も気分を害さずに済むはずです。
まとめ
ヘルパーが利用者宅のトイレを借りることは、感染症対策、プライバシー保護、経費負担の観点から避けるべきです。
しかし、人間には誰でもトイレに行きたくなる時があるものです。
そのため、事前の準備や利用者への配慮など、適切な対策を取ることが重要になります。
介護の専門職として、利用者の方へのサービスの質を落とすことなく、自身の健康管理も両立させる必要があります。トイレ対策は小さな工夫かもしれませんが、そうした気遣いが介護の質の向上につながるはずです。